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TETSUYAオフィス__
衣装にアイロン掛け。
「また、やるんか?」
「もちろん」
アイロン掛けした服を、マネキンに丁寧に着せて行く。
衿なしの白シャツに、衿つきの黒シャツをはおりとして使用。グレーの細身のパンツ。黒フレームのメガネをアクセントに。
「大人ムードなシャツコーデにしてみました」
「で、Aは白のシャツワンピでリンクコーデにした訳や」
細いベルトを巻いて大人っぽい雰囲気に。
*さっきから何をやってるかと言うと、明日SnowMan9人での雑誌撮影があり、康二の衣装をAが担当した訳です。
テーマが『デート』ということで、康二とリンクコーデをセレクトしてみました。
マネキンの隣にAが立つ。ちゃっかり腕を組んだりしちゃってる。
「これ、撮ればいいんか?」
怠そうにTETSUYAが声をかければ、
「あ、ちょっと待ってください」
ポケットからリップを取り出し、塗り塗り…
もう一度腕を組み直した。
カシャカシャ
スマホカメラで数枚写真を撮った。
ーーーーー
「康二くんとデートしてる気分です」
フォルダを確認しながら、満足そうなA。
「康二くんに会うのも久しぶりだし…。明日の撮影は向井担としてはヤバすぎな案件ですわ♪」
テーマが『デート』ですからね。
それに、先日から結局会えていなかった訳で。
『リビ松さん』の件も時間とともに少し落ち着いて来たところだった。
「前から気になってんけど、ちょいちょい塗っとるそのリップはなんや…?」
何が?って訳ではないのだが、なんとなく聞くのが恐ろしいTETSUYA。でも、聞いてしまった…
「これはですね…」
キュポンとフタを取る。
キコキコさせて中身を繰り出すが、
「もう、なくなりそう…」
残念そう。
「いや…なんかもう別にええわ」
理由なんてもう、聞かなくたっていい。そう思ったのに、
「これ塗ると…康二くんとキスしてるような気分になれるから…//」
「………やっぱ聞かんときゃよかった」
相変わらず危険な女です。ちなみにこのリップはあの時のですよ。 ※8話参照
ーーーーー
車に衣装を積んで、明日の準備を終えた。
その時、会社の正面玄関付近にキキーッとブレーキ音をさせて、一台の車が停まった。
「A、おる?」
険しい顔した康二が車から降りてきた。
*****
『デート服』は#コージネートを参考にさせてもらいました。
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作者名:ミズ | 作成日時:2024年3月24日 19時