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約束の日は朝から緊張していた。
時間が過ぎれば過ぎるほどそれは増していくばかりだった。
初めて袖を通した綺麗めなワンピースは頑張った自分に、2年前ご褒美で買ったもの。
着る機会がなくて買って満足してしまっていた。
まだ着れる体型を維持できていたことが何より安心だった。
「あ、あの、」
「いらっしゃいませ。ご予約のお客様でしょうか。」
時間になり、指定されたお店へ出向く。
笑顔で迎えてくれた店員さんに頷いてぎこちなく名前を伝えた。
「お待ちしておりました。お連れ様は先にお部屋にご案内しております。」
緊張を通り越して無の境地。
悟りを開いた。
もうどうにでもなれ。
なるようにしかならん。
「こちらです。」
「あり、ありがとうございます。」
部屋の中に入ると私服姿の彼。
やっぱりいつ見てもしっかりしている。
「座らないの?」
「あ、し、失礼します…。」
向かい側に座って背筋を伸ばす。
緊張がぶり返してきたらしい。
「かわいいね、そのワンピース。」
「…!」
「よく似合ってる。」
「ありがとう、ございます。」
だめだ。
顔が見れない。
向かい合うのも、2人きりも慣れてきたはずなのに。
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涼-suzu-(プロフ) - 蓮和さん» ありがとうございます。みやだてくんはやっぱりバブめですよね。笑 共感していただける方がいて嬉しいです。次回もよろしくお願い致します(՞ ܸ. .ܸ՞)" (4月2日 16時) (レス) id: 6a2e5ac073 (このIDを非表示/違反報告)
蓮和(プロフ) - 完結おめでとうございます!垢は違いますが毎度コメントさせていただいてますバケモノです。素敵な作品をありがとうございました!!宮舘さんとの恋ってやっぱりいいですよね(?)私も宮舘さんは結構バブい域にいると思ってますw 第8弾も楽しみです! (4月1日 21時) (レス) @page45 id: 69e5d6eaed (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:涼-suzu- | 作成日時:2024年3月25日 17時